<犬の防災>地震が起きたらどうする?いざという時のために対策しよう
わんこの防災といわれても…パッとすぐには思い浮かばないですよね。わんこも大切な家族の一員、だけど何をしたらよいのかと困っている飼い主さんもいるのではないでしょうか。今回は、いつ地震が起きても落ち着いて対策できるように、わんこの防災について学んでみましょう。
目次
地震対策はできている?
地震はいつどこで起こるかわからない自然災害です。2011年に起きた東日本大震災では、わんこと一緒に避難することが多くの人に知られておらず、わんこをおうちに置いたまま避難する人が多くいました。その結果、飼い主さんと離れ離れになり、多くのわんこが放浪するという悲しい結末に。
そのような被害を最小限にするためにも、日ごろからの対策と地震が起きたときの対応について考えておくことが大切です。
どんな対策をする?
防災グッズを準備する
飼い主さんのものと一緒に、わんこの防災グッズを用意しましょう。わんこの飲み水、ごはんの備蓄の目安は最低5日分です。可能であれば1週間分を用意しましょう。
また、ごはんとなるドッグフードには賞味期限があります。備蓄分も含めて多めに買っておき、古いものから使い、使った分だけ買い足すローリングストックで用意しておくのがオススメです。療法食、常備薬などもあれば、同じように用意しておくと安心です。
安全な環境を整える
地震が起きたとき、おうちの環境は安全ですか?わんこがケガをしないように、環境を整えておきましょう。
窓やガラス扉
- 窓やガラス扉の近くにケージを置かない
- 窓に飛散防止フィルムを貼る
窓やガラスは、破損したときに破片が飛んできてわんこがケガをする可能性があります。飛散防止フィルムを貼っておけば、わんこが室内を歩き回っていた場合でも安心です。
高さのある棚
- 棚の近くにケージを置かない
- 棚の上に割れ物などを置かない
- 棚を固定する
高さのある棚などが転倒すると、わんこだけではなく飼い主さんも危険です。家具の配置を見直し、転倒防止のために固定しましょう。
出入り口、窓、ケージ
- お出かけ時は必ず窓を閉める
- 外に出られる隙間がないか確認
- 玄関前にゲートを設置
- ケージに2重ロックをかける
災害が起きた時にわんこがパニックになって脱走するかもしれません。飼い主さんが外出中に地震が起きても脱走しないよう、留守番の際はクレートやサークルを活用するとよいです。
避難方法を確認する
もし地震が起きて、ペットと一緒に避難する場合は、「同行避難」が基本です。同行避難とは、災害発生時にわんこと飼い主さんが同行し、避難場所まで安全に避難することです。ただし、わんこを含むペット用のスペースはあるものの、飼い主さんや他の被災者と同じスペースでわんこが過ごすことは原則としてできません。
また、同行避難と似た言葉に「同伴避難」があります。同伴避難が可能な避難所では、避難所内でわんことともに暮らすことができます。しかし、同伴避難ができる場所は多くありません。いざというときに落ち着いてわんこと避難できるように、あらかじめ避難所や可能な避難方法を確認しておきましょう。
普段から感染症の予防を!
避難所には同じように同行避難してくるさまざまなペットが集まり、感染症の発生リスクが通常より高まります。わんこが多く集まる場所で発生しやすい病気、また、わんこから人へうつる感染症もあります。家族であるわんこのためにも、また、他のわんこや人に万が一でも病気をうつしてしまわないためにも、予防できる病気のワクチン接種は定期的に行っておきましょう。
近くの同行避難できる避難所を確認
暮らしている自治体の公式サイトを確認し、近くの同行避難できる避難所を確認しましょう。また、避難マニュアルがあるようであれば、印刷しておくと安心です。たとえば、東京都では災害時における動物愛護管理対応マニュアルがあり、災害時はそのように実行できるように準備されています。
同行避難ができない場合はどうする?
- 動物のみが避難できる専用のシェルターへ預ける
動物避難所協会が運営するうちトコ動物避難所マップでは、動物専用の民間避難所情報が掲載されています。有事の際に避難所として開設されているペットホテルや動物病院がないか確認しましょう。
- 飼い主さんは避難所へ避難して、わんこは自宅で待機
わんこを自宅に待機させる場合は、おうちに危険がないことが前提です。倒壊などの危険がある場合は、安全な預け場所をあらかじめ見つけておきましょう。体温調節が難しい夏場、冬場などは危険なためできる限り避けて、わんこ専用のシェルターなどへ預けることをオススメします。
落ち着いて行動するためのトレーニング
人間でもパニックになりやすい災害時。避難所などいつもと違う環境やとっさの状況でも、わんこが落ち着いて行動できるように日ごろからのトレーニングが役に立ちます。
- フセ
さまざまな人が集まる避難所などでは、わんこを苦手に思う人も。わんこも普段と違う状況に興奮しやすくなっているので、フセを教えておけばクールダウンに役立ち、お互いに安心して過ごせます。特に大型のわんこは体高が大きく威圧感を与えやすいので、覚えておくといいでしょう。 - マテ
地震が起こると、部屋の中は割れた食器が飛び散ったり、窓ガラスが割れたりすることも。わんこが飼い主さんのもとへ逃げようとして、落ちているガラスを踏みそうなときや、脱走防止にも使えるのがマテです。声だけでわんこを制止できるため、飼い主さんがすぐに動けないときなどにわんこを安全な場所にしばらくとどめることができます。 - クレートトレーニング
飼い主さんが手を離せないときに地震が起こっても、声だけでわんこを安全なクレートの中に誘導できるので、わんこの身を守ることに役立ちます。また、避難先でもわんこ専用の個室として使えるので、ストレス軽減にも効果的です。 - マットトレーニング
慣れない避難所の暮らしは、環境の変化によりストレスを感じやすいです。普段からおうちの中でマットを利用し、お気に入りの場所にしておくとわんこも落ち着いて過ごすことができ安心です。
もしもの迷子に備える
万が一わんこが迷子になってしまったときに備え、身元がわかるものを普段から装着しておきましょう。マイクロチップは脱落の心配がないため、身元を確実に特定することができて安心です。また、首輪には鑑札や狂犬病予防注射済み票と合わせて迷子札もつけておくといいでしょう。
また、日ごろから近所の人とコミュニケーションを取り、いざというとき協力し合える環境を作るとよいでしょう。
地震が起きたときの行動は?
地震が起きたら、わんこが心配になりますよね。ですが、その前に飼い主さん自身の身を守ることも大切です。まずは飼い主さんとわんこの安全を確保して、落ち着いて行動をしましょう。
わんこと避難するときの注意点
避難所には人が過ごすための設備は確保されていますが、基本的に動物用の備えは用意されていないので、飼い主さん自身で準備する必要があります。わんこはクレートに入れて連れて行き、一緒にわんこ用の避難グッズを持っていきましょう。
避難所での過ごし方
避難所での配置や係留(リードなどで留めておく)場所、ウンチやオシッコなどの処理方法などについては、避難所で定められたルールを守りましょう。
避難した方のなかには、わんこが苦手な人やアレルギーを持つ人もいることを考え、配慮して過ごす必要があります。トラブルを防ぐためにも、わんこが落ち着いて行動できるようにトレーニングしておくことが大切です。わんこにとって、環境の変化はストレスの原因に。ストレスを発散できるおもちゃや、おうちのにおいがついた布類を用意しておくと、わんこの安心につながります。
- 地震対策として、防災グッズの準備など事前の備えをしておこう
- わんこが落ち着いて行動するためにも、日ごろのトレーニングが大切
- 地震が起きたらまずは安全を確保
- 避難所での過ごし方を確認し気をつける
わんこは大切な家族の一員。事前の備えや避難場所などを確認することで、地震が起きてもパニックにならずに落ち着いて行動できます。これを機に、ぜひわんこの安全を守れるように対策しておきたいですね。