わんこライフマガジン:フリーランスでシニアわんこと暮らす彩さん
UPDATE.2024.06.25
わんことのリアルな暮らしをお届けする企画「わんこライフマガジン」。
第4回はフリーランスとして働きながらシニアわんこと暮らす、安心院 彩(あじみ あや)さんとベルちゃんです。
フリーランスだからこそ実現できたベルちゃんとの暮らし方や、ベルちゃんがシニアになってわかった、シニアわんことの暮らしの大変さを伺いました。
彩さん神奈川県在住
ベルちゃんとの出会い
ベルちゃんとの出会いは、安心院さんが社会人になる直前。幼いころに豆柴と暮らしていた彩さんは、その子が亡くなった後も「またいつか、わんこと暮らしたい」と夢見ていたのだそう。
大学卒業を目前に控え、「今ならお世話もしっかりできるし、お迎えできるかも」と思ったタイミングで出会ったのがベルちゃんでした。
Q.家族会議ではどんなことを話し合いましたか?
彩さん:
当時、両親と祖父母と暮らしていたのですが、母だけが反対していました。というのも、先代のわんことの別れが忘れられなかったんです。わんこをお迎えするということは、いつかまた同じように別れも経験しないといけない。「お別れの日」を想像すると耐えられないと…。
結局、家族でベルに会いに行ったら母も一目惚れでした(笑)。
Q.お迎えで不安だったポイントは?
彩さん:
豆柴を飼っていたこともあって、わんこと暮らすこと自体への不安はあまりなかったです。でも、室内飼いは初めてだったので、お家の中にわんちゃんがいる想像ができなくて…。ケージは必要なのかな? どんなケージがいいんだろう? と事前に調べましたね。
Q.実際にお迎えしてからの苦労はあった?
彩さん:
ケージにトイレやベッドを入れてベルのお部屋を作ってみたものの、全然慣れてくれなくて。ずっと鳴き続けるので、かわいそうになってしまって、せっかく準備したケージもすぐに解体して一緒に寝るようになりました。
あとは、トイレのしつけも大変でしたね。シニアになった今は、小さい頃よりもトイレの失敗率が高くなってきてオムツをつけることも多いです。
ベルちゃんの性格
とっても甘えん坊で、いつもくっついているのだそう。
けれど、内弁慶なベルちゃんはお散歩に行くと他のわんこにビビリっぱなし。ドッグランに行っても、他のわんことは遊ばずに安心院さんのまわりをウロウロしているのだとか。
Q.食事やお手入れのことで苦労したことはありますか?
彩さん:
食事は、飽き性で困りました…。新しいフードを買ってきても、すぐに飽きて食べなくなっちゃうんです。お迎えしたばかりのころは体重もあまり増えなくて心配でしたね。
容量の少ないご飯を買って種類を頻繁に変えたり、ふりかけをまぶしたり、茹でたささみをのせてみたりと試行錯誤の日々でした。シニアになった今は、なんでも食べてくれるようになって安心しています。
ベルは歯磨きやシャンプーなどのお手入れも苦手で、苦労しましたね。小さい頃に家のお風呂でシャンプーをしてみたのですが、大暴れで…。私たちもずぶ濡れになってしまうし、ベルにもストレスをかけてしまうので、今はトリミングサロンでお手入れしてもらっています。
1日の生活
朝 |
9時〜10時に起床。
彩さんがゆっくり寝ているとベルちゃんが起こしにきてくれるそう。
トイレ掃除やごはんの準備、白内障の目薬を点眼するのが起床後のルーティーン。
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昼 |
彩さんが仕事しているときは、ソファか膝の上でゆっくり。
退屈になると「遊んで!」と吠えてくるので、お気に入りのおもちゃで遊んであげます。
打ち合わせが長時間になると、膝に乗ってきてZoomに登場することも!
夏は暑いので夕方(16~18時ごろ)、冬は暗くなる前の日中(12~15時ごろ)に1時間ほど
お散歩へ。
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夕方 |
お散歩後は足を洗って白内障の点眼、ブラッシングをします。
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夜 |
19時頃に夜ごはん。
体内時計が正確なベルちゃんは、彩さんが仕事や家事でバタバタしていると、「ごはんだよ!」と吠えてお知らせしてくれるのだとか!
彩さん一家は全員夜型。みんなが深夜まで仕事をしていると、また「寝る時間だよ!」と教えてくれるので1時ごろにベッドに入ります。
パピーの頃からベッドで一緒に寝ています。
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Q.ベルちゃんとの暮らしで「フリーランスでよかった」と思うことはありますか?
彩さん:
フリーランスを続けたい理由が「ベルと一緒に居られるから」っていうくらい、よかったことしかないです!
フリーランスになる前は金融系企業に勤めていました。毎日の出社は当たり前で、仕事終わりには飲み会があることも。出社時間を気にしながらお散歩へ行き、一緒にいられる時間は寝る時だけという日々でした。
フリーランスになって自分で時間を調整できるようになった今は、仕事中も一緒に居られるし、打ち合わせの合間にお散歩に行くこともできます。シニアになって動物病院へ行くことも増えましたが、曜日や時間を選んで通院できるので、混雑を避けることもできます。たまに、わんこも入れるカフェに連れて行って仕事をすることもあって、すごく癒されますね。
ベルもシニア期に入り、今まで以上に少しの時間も無駄にしたくないと思うと、この働き方じゃなかったら後悔していたなと思っています。
お金事情
シニアになって出費も増えたというベルちゃん。
1ヶ月にかかる費用を教えていただきました!
フード・おやつ代 | 約6,000〜7,000円 |
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医療費 | 月によってまちまち |
トリミング・お手入れ費用 |
約1万円
(シャンプーとトリミングをそれぞれ2週間おきで交互に)
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保険料 | 約5,000円 |
年に1回の健康診断やワクチンに加えて、加齢に伴う健康のトラブルも。2〜3ヶ月に一度、血液検査や超音波検査、お薬を処方してもらいに動物病院へ。保険適用されても2〜3万円ほど治療費がかかるときもあるのだとか。
シニアになってからのベルちゃんのこと
Q.ベルちゃんは現在10歳でシニア期に入ったところだと思いますが、今までにかかった病気はありますか?
彩さん:
トイ・プードルで垂れ耳なので、「外耳炎」など耳の病気は小さい頃から繰り返していました。あとは、ベッドから飛び降りたときに脱臼したり、「気管虚脱(気管が潰れてしまう病気)」になったり…。
シニアになってからは、「胆泥症(たんでいしょう:胆汁がドロドロになる病気)」や「白内障」にもなりました。今はそれぞれ内服薬を飲ませたり、点眼薬をしたりと自宅でできる治療を続けています。
Q.シニアになってからのベルちゃんの変化は?
彩さん:
飼い主と離れるとずっと吠えてしまう、いわゆる「分離不安」が強くなりました。
ゴミ出しに行くだけでワンワン吠えてしまうなど、お留守番ができなくなってしまって…。見守りカメラを設置するなどの工夫もしてみましたが、カメラ越しに話しかけると余計に吠えてしまうことも。
どうしてもお留守番が必要なときは、長くても4時間以内で帰ってこられるように家族で工夫しています。
わんこと暮らしてよかったこと
ベルをお迎えして本当によかったと思っています。
私が落ち込んでいるときも、いつもそばで支えてくれました。つらいときも楽しいときも、ずっと一緒にいてくれて家族以上の存在。心の支えで、幸せをくれるベルは宝物です!
PROFILE
まだらー
獣医師とインタビューライターのパラレルキャリア。
愛犬とゆっくり過ごす時間が一番幸せ!